2010 京大大オープンキャンパス最新レポート

8/11・12、京大 吉田キャンパスにおいてオープンキャンパスが行われた。
今回は、8/11に行われた文系学部のオープンキャンパスの模様を、現場から速報としてお伝えする。

京大オープンキャンパスの現場から

京都は朝から快晴。
オープンセレモニーやキャンパスツアーが始まる9時30分よりも前に、7時30分頃からキャンパスを訪れる方もちらほら。9時頃をピークに、たくさんの志望者が集まった。
オープンセレモニーは当日の先着順に整理券が配布されるため、8時前から受付に並ぶ参加者も多かったようだ。

キャンパスツアーでは、在学生が大学構内をリアルに紹介。毎日の学生生活で利用する図書館や生協、授業で使う講義室の様子など、大学生活がよくわかるように、少人数のグループに分かれて構内を案内してもらえる。
ツアー参加者の話によると、授業で使用する実験室の設備から、レポートの提出方法などの細かな部分まで紹介してもらえるので、入学後の生活をリアルにイメージしやすかったそうだ。
また、ツアーを引率してくださる在学生の方が非常に親しみをもって接してくださるので、緊張せずに参加できたとのこと。現役大学生の生の声や本音を聞けるチャンスとあり、大学生活のことだけでなく、受験勉強についてなどいろいろなことを質問できて実りも多かったそうだ。
(※キャンパスツアーは9時30分からのほか、15時からも開催される。また、11日は中央キャンパス文系と吉田南キャンパスの2コース、12日は北部キャンパスと中央キャンパス理系、南部キャンパスの3コースに分かれている。)

さて、広いキャンパスめぐりに疲れたら、百周年時計台記念館2階の「国際交流ホール」の休憩スペースでひと休み。
同じ「国際交流ホール」では、学部別に「在学生交流コーナー」が設けられており、志望学部の在学生に気軽に質問・相談することができる。高校生や保護者の方々で、かなりの盛況ぶりだ。オープンキャンパス1日目は文系学部をメインにした内容であったが、「在学生交流コーナー」では文系学部だけではなく、理系学部も含めたすべての学部で賑わいを見せていた。

午後からの学部説明会を前に、吉田キャンパスは11時頃から早めのランチタイムを迎える。
学食や正門すぐのカフェ「カンフォーラ」には順番を待つ人で長蛇の行列。
暑い中のオープンキャンパスということもあり、学食のメニューでは京都にちなんだ「鴨川そうめん」をはじめとした冷たい麺類が人気。デザートメニューからパフェをオーダーする人も多いようだ。

ランチのあとは、学部別説明会(要事前予約)。各学部に分かれて学部長からのお話の後、研究室公開や模擬授業などが行われていた。
学部ごとの特色や授業内容の紹介のほか、教員の方との質疑応答などもあるので、参加者はその学部で学べる内容について理解をいっそう深めることができたのではないだろうか。
講義のほかにも、並行して学部相談コーナーが各学部に設置されている。
この相談には京大の現役学生や教員の方が個別に応じてくださるとあって、入学してから学べる内容や受験対策のことなど学習内容を中心に、熱心に相談する参加者の姿が多数見られた。

盆地特有の暑さが厳しい京都だったが、酷暑もなんのその。オープンキャンパスが終了する夕方頃まで吉田キャンパスは行きかう参加者の姿で1日中賑わっていた。



京大オープンキャンパス 学部別プログラム紹介 8月11日(水)文系学部:法学部 経済学部 8月12日(木)理系学部:理学部・薬学部・医学部医学科

先週の8月11日(水)・8月12日(木)に開催された京大オープンキャンパスのプログラムから、文系学部からは法学部、経済学部、理系学部からは理学部、薬学部、医学部・医学科について、参加者の取材内容をもとに学部別のプログラム内容詳細をお伝えする。

法学部 経済学部 理学部 薬学部 医学部・医学科

法学部 学部紹介

オープンキャンパス1日目の8月11日、法学部では12:30と15:00からの2回、それぞれ2時間の学部説明会が実施された。プログラムの内容は、林信夫学部長からの挨拶(5分)、教務主任の洲崎博史教授から法学部の教育についての説明(20分)、安田拓人教授の模擬授業(40分)、質疑応答(50分)という流れだった。
■法学部では刑法の本格的な模擬講義が開催
12:30からのプログラムはほぼ満席。模擬授業では、罪刑法定主義(悪いことでも予め法律で決められていなければ処罰されない)や、責任主義(悪いことをした人でも、心神喪失者など、その行為に及んだ責任を非難できなければ処罰されない)などの刑法の大原則や、「何が正義なのか?」を問う講義が展開された。それは、個人的な感情や世論からは一歩離れ、冷静な判断が求められる法律の世界。具体例を交えながらの刑法の役割や解釈に高校生たちは熱心に聞き入っていた。しかし、それが個々の倫理観や哲学とぶつかるとき、当然そこには疑問や葛藤が生じる。

■率直な質問をぶつけあう参加者の熱気で盛り上がった講義室
続く質疑応答では、「心神喪失者の行為が罰せられないなら再犯はどのようにして防ぐのか」など、高校生の率直な疑問が次から次へとぶつけられ、プログラム一番の盛り上がりを見せた。これが本当の大学の講義なら、学生たちは教室を出てからも議論を続けるだろうと容易に想像できる熱気だった。
大学とは、教室の枠を超えて、教授や友人たちと様々な意見をぶつけ合い、考え抜き、自分なりの答えを見つけようともがき、成長していける場である。そんな学びの場の空気を、参加した高校生たちは少しでも感じられたのではないだろうか。この中から何人の高校生たちが、大学生としてこの教室に戻ってくるか楽しみだ。

経済学部 学部紹介

■「主体性」をもって学ぶ姿勢が問われる京大 経済学部
法経本館1Fにある大教室「法経第七教室」は、約300名の京大志望者で埋め尽くされた。2時間半のプログラムは、学部長挨拶、模擬授業、学部生による学生生活の紹介の3部構成。
田中秀夫学部長からの挨拶でプログラムはスタート。物事を主体的に考え、積極的に学んでいく優秀な学生の入学を待っているという力強いメッセージだった。経済学部は、現在、学部専門科目としての必修科目は一切廃止となっている。今まで以上に、「主体性」ある学ぶ姿勢が求められるということだ。

■模擬講義では、高校生にとって身近な例を挙げて会計学を解説
会計学講座の澤邉(さわべ)教授から会の簡単な説明があったのち、草野准教授から模擬講義「会計から見る企業の実態」が60分以上かけて行われた。企業会計の基本の説明と、マクドナルドとモスバーガーの貸借対照表、損益計算書から得られる具体的なデータをもとに、ケーススタディを行った。高校の授業では扱われない講義の内容に、圧倒された人も多いのではないだろうか。一方で、2名限定の質疑応答には、多数の挙手。指名された高校生も、300名のライバルを目の間に、ひるむことなく堂々と質問する。これこそ、京大が求める姿勢。積極的な志望者が集まっている証拠だ。

■「京大では、自分の学びたいことを思う存分に学ぶことができる」という現役学生からのメッセージ
最後は、学部4回生の八田さんから、京大での4年間の生活についての説明を受けた。京大を志望した経緯から、学部での活動、サークル・部活、京都の四季に至るまで丁寧に紹介してくださった。
「京大は自由だ、と言われる。自由とは「遊び」である」と八田さんは語る。
「自分の学びたいことを、思う存分に学ぶ。それこそ、最高の遊びである」と。そこには、楽や怠慢という意味の「遊び」はない。自分で追及するという学ぶ楽しみが、京大にはあるのだ。
経済学部では、一貫してこのメッセージが高校生に伝えられた。


理学部 学部紹介

■学部長からはフロンティア精神を大切にする京大理学部の紹介
オープンキャンパス2日目の8月12日、理学部では11時20分からと14時20分からの2回学部説明会が行われた。300人の定員の大教室が、事前予約と当日のキャンセル待ちを含めてほぼ満席だった。男女比率は7対3程度。
プログラムは、吉川研一理学部長より理学部の教育について(10分)、平島崇男教授より諸注意とオリエンテーション(10分)、各学生の興味ある学問系統における教室企画(2時間)で進行。
学部長の「自然界の正解のない未知の問題に対する道を切り開いていくところが京大理学部だ」という言葉に加え、手本になる研究者の数の多さ、構内の大学連携の研究所、ノーベル賞やフィールズ賞など抜群の実績に、参加者である高校生は圧倒されている様子だった。

■学科別に分かれた特色ある教室企画
学部長の話、オリエンテーションの後は、各自が興味のある学問系統に分かれて教室企画に参加。
その中の一つである数学教室企画では、数学教室の概要説明の後、数学研究の紹介や小講義、図書館見学が行われた。
数学研究の紹介は、実際の石鹸膜にできる曲面の微分方程式によるアプローチや、円周率πについての未解決問題(eπやe+πは無理数か)など、知的好奇心がくすぐられる内容であった。また、小講義では2次方程式の解の公式の導き方を拡張して、高校レベルでは厳しい3次方程式の一般解へと導いていく手法がわかりやすく説明され、身近にも挑戦したくなるような問題はあることに気付かされた高校生も多かっただろう。参加者は皆熱心に聞いている様子で、彼らもきっと未知の問題に向き合うすばらしい研究者となることだろう。


薬学部 学部紹介

■ゲノム解析を題材にした模擬授業
薬学部では12日、午前と午後の2回に分かれて学部説明会が行われた。午前の部は200名の定員がほぼ満席。理系学部ではあるが、女子生徒も多く参加していた。
薬学部の学部長による挨拶と簡単な学部紹介のあと、辻本豪三教授による模擬授業「ゲノムから薬を創る」がスタート。ゲノム解析により、薬が効きやすいのかどうかなどがわかるようになり、将来的には一人ひとりに、その人に合った薬を、適切な量で処方する「テーラーメイド医療」が可能になるという話題を中心に語ってくれた。

■少人数に分かれて興味のある研究室を見学
模擬授業のあとは、10名ごとに分かれて研究室の見学が行われた。その中の一つ「構造生物薬学」の研究室では、タミフルを例に、薬がタンパク質に作用する構造についての講義のあと、タンパク質の実際の結晶化作業の見学や、実際に顕微鏡やパソコンを使い、タンパク質の結晶の形を確認することができた。さらに大学生との雑談の時間もあり、ざっくばらんに研究の内容や大学生活について質問することができたので、参加者も充実した見学となったことだろう。


医学部・医学科 学部紹介

■京大医学部ならではの特徴がよく伝わる学部紹介
医学部・医学科の学部企画は、南部キャンパスの医学部の大教室で開催された。 学部長の「何事にも積極的に興味を持ち、それを創造行為に繋げることのできる人を求む」という激励の言葉とともに始まった。
続いてカリキュラム説明。京大医学部は研究活動に重きを置く風土があり、その特徴はカリキュラムにも色濃く反映されている。授業と試験が一切排除され、研究に専念する期間「マイコース・プログラム」などは、京大医学部のならではの特徴が表れた最たる例と言えるだろう。

■京大病院の設備と先端医療技術に触れることで、生命を扱うことの重みを実感
最後は京大病院の設備と先端医療技術の紹介が行われた。身体の隅々を映し出すCTスキャン画像や、生体肝移植手術の動画などを実際に目にした高校生は、医療技術の目覚ましい発達と、生命を扱うことの重みを感じたはずだ。
個性豊かな教授陣、最先端の技術、個性を重んじるカリキュラムなど、京大医学部の真2髄を知ることのできた時間であった。

■今回お送りした京大キャンパスレポートはいかがでしたか?
オープンキャンパスに参加した人は、参加した時の気持ちを思い出していただけただろうか。
また、オープンキャンパスに参加しなかった人も、当日の熱気を感じていただけただろうか。
これを機会として、京大への思いを新たにし、さらに次の一歩へ進んで行こう。
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