合格者のセンター試験対策法

前回のコンテンツ「センター試験への戦略的なシフトを図れ」でも触れたように、これからはセンター試験対策を本格的に始める時期だ。 これからの課題は2次試験に対応する力を維持しながら、いかに効率よくセンター試験対策を並行して行うかということ。 そこで東大特講・京大特講編集部では、昨年度の東大・京大合格者30人に対し、センター試験の対策法についてのアンケートを行った。その結果、合格者のセンター試験対策の取り組み方には、ある3つがあることがわかった。ぜひ参考にしてほしい。

東大・京大志望者 センター試験攻略のための3つの基本戦略

東大・京大合格者は、以下の3つをセンター試験攻略の基本戦略とした人が多いことがわかった。実際に合格者がどのようにこの3つの戦略を採り入れていたのか、確認しておきたい。

【戦略1】形式やスピードなど、センター試験特有の形式に慣れることを重視

センター試験の過去問や予想問題を使って、解答時間を計測したり、解く順番を意識した「実戦を意識した演習」を集中して十分に行うことがポイント。センター試験直前期であっても2次試験対策も並行して行うべき。またセンター試験レベルの問題はやみくもに解くのではなく、「解き方」にこだわって演習を行うことが重要だ。

東大 理科一類
A・Yさん 膳所高校卒

【合格者体験談1】センター試験でのみ課される文系科目を中心に対策しつつ、2次試験でも課される科目は2次試験対策を継続。

センター試験対策は成績の安定しない国語と2次試験で使わない地理を中心に行いました。 不安定な国語は、本番を意識して時間をきっちり計って解き、より本番に近い状況で高得点を取ることをめざして対策を行いました。
地理はセンター試験方式の問題を多く解いて、「形式に慣れること」を意識したことと、問題を解きながら解説文を参考にして、やればやっただけ効果の出やすい暗記事項は必ず覚えていくようにしました。

編集部から
1の戦略と後述する2の戦略を採り入れている例。この体験談の国語の例のように、センター試験の形式に慣れるために問題を解くときは、多くの合格者が過去問を重視していた。もし、古文のみ苦手など、ある分野のみ苦手な場合は、得点が安定するまではその分野の形式演習を多く繰り返すのも効率がよいだろう。また、地歴などの暗記科目を重点的にセンター試験前に勉強したという理系の合格者はとても多い。逆に、「センター試験の地歴を甘く見ていた。もっと暗記などの対策をしておくべきだった」という声もあったので、暗記科目については油断せずに対策を進めたい。

【戦略2】2次試験にない科目のセンター試験対策を重視

2次試験にないからこそ、対策が手薄になっている可能性がある。やればやっただけ効果が出やすい暗記問題や、受験者の多くが得点できる問題での失点は絶対に避けたい。特に暗記項目などは軽んじずに時間を割いて取り組むことが重要だ。

東大 文科ニ類
R・Tさん 大分上野丘高校卒

【合格者体験談2】センター試験のみの理系科目を中心に対策。理科・数学は時間を短めに設定して多くの問題に触れた。

2次試験では使わない理科は手薄になっていたので、センター試験の理科の問題を集中的に解きました。現社は学校での授業が1年次のみで、3年次にはなかったので、独学せざるをえなかった。そのためセンター試験1か月前から自分で参考書を1冊用意して集中的に勉強しました。
一方で、英語や地歴はある程度2次試験の勉強をしていればカバーできると考え、センター試験の勉強を特別にやるということはせず、形式に慣れておくための演習程度でした。 数学はとにかく時間を短めに設定して重点的に対策しました。

編集部から
センター試験のみで課される科目とそれ以外の科目で、対策を使い分けた例。自分の実力を客観的に見極めたうえで、やらなくてもよいことを決め、限りある時間を最大限に活用する戦略には学ぶべきところが大きい。
また、実際のセンター試験では緊張などからいつも以上に時間がかかる可能性が高い。そのため、自分では必要以上だと思っても、できるだけ短めに目標時間を設定し、普段から実戦的な演習を繰り返し行いたい。

【戦略3】センター試験対策を2次試験にも役立てられるように工夫

時間のない直前期。センター試験、2次試験ともに課される科目は、センター試験対策を2次試験対策として兼ねられるように学習計画をあらかじめ設計するのも1つの方法だ。

京大 法学部
C・Fさん 南山高校卒

【合格者体験談3】センター試験の科目を勉強しながら、2次試験科目にリンクさせる。

センター試験を世界史、2次試験を日本史で受験しましたが、世界史のセンター試験対策をしながら「この頃は日本では何が起こっていて、活躍した人物は・・・」というふうに、常に日本史とも結びつけて構造的に考えるようにしていました。これによって記憶に残りやすくなり、また歴史の流れをより押さえやすくなって、2次試験対策にも効果的でした。

編集部から
センター試験の勉強を最大限活用しているよい例。
特に世界史と日本史をセンター試験と2次試験のいずれかで受験する場合に、この方法をとっていた合格者が多かった。他にも、「国語や英語は2次試験にも通じるように英単語や古文単語もおろそかにせずに対策した」「化学の無機・有機の暗記部分の対策はセンター試験と2次試験の両方で必要になるので、意識的にセンター試験直前期に重点的に行うことに決め、2次試験対策を兼ねた」「センター試験直前期に押さえておいた生物・化学の暗記は2次試験の基礎の確認にもなってよかった」など、2次試験でも役に立つ知識の勉強は時間を割くことを惜しまなかったという声も多くあった。

【番外】基本戦略にプラスしたい合格者のセンター試験対策法

先に述べた3つの基本戦略を中心にセンター試験対策を行っていた合格者が、それに加えてやっていた対策を紹介する。これからセンター試験対策を進めるうえで、ぜひ参考にしてほしい。

得点の安定しない科目は、方法論よりも演習量を重視。

センター試験対策を進めていくと、得点が安定しない科目があるかもしれない。その場合も、やはり過去問などで形式に慣れ、センター試験の問題を時間内で解ききる勘を磨くことが得策だ。

京大 法学部
M・Mさん 兵庫高校卒

【合格者体験談4】

国語が苦手で、模試などでも国語だけは偏差値が低く、科目別に見るとE判定がつくことがありました。そこで、12月になって自主学習の時間が増えてからは、センター試験だけでなく2次試験の問題も含めて毎日何かしら国語の問題を解くように心がけ、とにかく演習を続けました。すると量が質に転じたのか、少しずつですができるようになっていくのが実感できるようになり、最終的に得点も安定しました。

編集部から
特に国語において、得点が安定しなかったという声が多かった。彼らのほぼ全員が、得点が安定しないからといってテクニックや方法論に走るのではなく、東大・京大入試で問われる力を確認できる良問を大量にこなすことによって最終的に得点が安定したと言っている。センター試験はある程度の慣れが必要なので、とにかく過去問を解き続けたい。

3日間の集中特訓で、歴史な流れと用語を確認。

特に日本史と世界史で、3日程度集中的に勉強して、歴史の流れなどを全体像を復習し、過去問演習などに取り組んでいったという声が多かった。特に、冬休みに入った直後の3日間で行った例が多い。

東大 理科二類
M・Aさん 狩谷高校卒

【合格者体験談5】

最も対策が遅れていた世界史は冬休みに入った直後の3日間を利用して、全体的な流れなどを復習するなど集中的に取り組みました。その後は、世界史のセンター試験の形式に慣れるため、模試問題の演習を多く行いました。

東大 文科二類
H・Mさん 渋谷幕張高校卒

【合格者体験談6】

苦手だった日本史、政治経済に焦点を当て、教科書とノート、市販の参考書を使って基礎から総復習を行いました。特に、日本史は一気に総復習したおかげで、歴史の流れやつながりを実感できました。これが結果的に、2次試験対策の基礎となり、2次試験対策がスムーズに行えたのでよかったと思います。

編集部から
センター試験でしか受験しない地歴の対策はセンター試験直前期から始めたという合格者も多い。彼らの多くが、思い切って1~3日程度集中して教科書の通読や歴史の一連の流れの総復習を行い、一気に基礎を再確認してから問題演習に入っていた。2次試験でもその科目を受験する場合は2次試験対策にもつながるので、この時期に基礎を盤石にしておくことはますます有効だろう。

センター試験の予想問題を解き、自分の抜けを補強。

ある程度の基礎が完成されていると感じる場合や、多くの過去問を解いて形式・スピードに慣れてきたら、センター試験の予想問題を解いてみて効率よく弱点を補強していきたい。

東大 理科二類
E・Nさん 清風南海高校卒

【合格者体験談7】

各科目の目標点を決め、センター試験の予想問題パックを時間を計って解くようにしました。採点をしてみて、各科目の目標点との差異から、目標点に達するためには何が足りなかったのかを考えて、足りないと思われる分野については、随時問題集や過去問を解いて補強するようにしました。

編集部から
センター試験の予想問題を最終確認として使う対策法が多かったが、このようにセンター試験対策の始めから予想問題パックを解き、自分の弱点のみを補強していくととても効率がよいだろう。
同じ様に、東大特講・京大特講『予想問演習』もセンター試験後の2次試験対策を再スタートとする前に解いて採点を受けることによって、自分の答案の弱点を把握でき、その後の約1か月にわたる2次試験対策に役立てられるので非常に有効だ。

解答順序を変えたり、時間配分を変えて演習し、最適な方法を模索。

知識をつけたり、スピードや形式に慣れるための過去問などの演習であっても、本番の時間配分や解答順序などの得点戦略も立てながら演習を行いたい。

東大 理科二類
H・Yさん 東大寺学園高校卒

【合格者体験談8】

最初は時間不足に悩まされていた数学だったが、解く順序や時間配分を意識した演習を心がけたことで、本番での時間配分の感覚や、解けない部分を後回しにしてとにかく穴を埋めるという臨機応変さが身につきました。

編集部から
特に数学では、「わからない問題を考えているうちに時間が過ぎてしまっていた」という本番での失敗を振り返る合格者も多かった。万が一、すぐにはわからない問題に出会ったときどのように対応するのかも、演習をしながら探っておきたい。

不測の事態が起こっても焦らずに対応できるスケジュールが必要。

最近インフルエンザが流行しているが、万が一の事態に備えて余裕をもったスケジューリングをしておくことも戦略のうちだ。

東大 文科一類
S・Yさん 札幌南高校卒

【合格者体験談9】

センター試験の16日前にインフルエンザにかかってしまい、過去問さえも買えず1週間前からやろうと思っていたセンター対策はまともにできなくなってしまいました。ぎりぎりから始めようとするのではなく、不測の事態を考えて、もっと余裕を持ったスケジュールを立てるべきでした。

編集部から
センター試験の直前になってセンター試験対策を始めようとせず、余裕を持ってスタートすることが重要。2次試験の勉強にやり残しを感じる場合は、前回の「センター試験対策と並行して行いたい2次試験対策法」を参考にしてほしい。

次回は「センター試験対策の落とし穴」についてお伝えする。合格者も一瞬、冷や汗をかくことになった落とし穴とは?

前回コンテンツ センター試験対策への戦略的シフトを図れ