東大・京大合格者にも直前期まで弱点があった!
合格者の「出題されたくなかった問題」と対策法

2次試験直前に苦手意識を持つ科目・分野・出題形式があったか?

東大・京大の2次試験が間近に迫ってきた。
受験生の中には、苦手としている分野や出題傾向がまだ残っていることに焦りを感じている人も多いのではないだろうか?
東大特講・京大特講編集部が東大・京大の合格者に行ったアンケートによると、例え合格者であっても、合格者の約9割が2次試験直前期にも苦手な形式の問題や分野があったと回答している。今回は合格者がそういった弱点に対してどのように対策を行ったのかに加え、試験本番でも役立つテクニックやヒントを編集部から紹介する。ぜひ有効に活用してほしい。

2011年1月実施 東大・京大1年生50人を対象に行ったアンケートより

英語

【東大・京大 合格者体験談】英作文

「英作文に苦手意識があり、いつもやみくもに解答してしまい失敗が多かった。そこで、自由英作文に取り組む際、まず日本語で内容を考えるのを10分、日本語で組み立てたアイデアを英語に訳すのを5分と決め、時間を計ってやった。できた英作文は先生に添削してもらった。」(東大理科Ⅰ類 A.Yさん)

「京大特有の抽象的な問題文の英作文を苦手としていた。そこで、抽象的な文を一度具体的な日本語に直して、それからその文を英訳するようにステップを分けて解答するようにしたところ、以前よりも解答しやすくなった。」(京大法学部 T.Aさん)

編集部から
上記の合格者の例にあるように、東大では解答の最初の段階で内容を練った上である程度時間を区切って取り組むこと、京大では抽象的な日本語の文をいかに解釈するかが重要。合格者の取り組み方をぜひ参考にしてほしい。また、英作文で起きがちなのが、主語の一貫性のなさや動詞の3単現、時制の不統一のミス。一般人称のweで始めているのに途中からyouで受けたり、3人称単数なのに動詞にsをつけなかったり、全体を現在形で書いているのに急に過去形にしたりしないように、文章全体を読み返して確認する習慣を身につけたい。また、要約や英作文で字数・語数指定に違反せず、スピーディーに仕上げるためには、まず下書きの状態で調整すること。英語はあらかじめ1行に自分が普段書ける語数を知っておくと、ざっと数える時に役立つ。

国語

【東大 合格者体験談】古文・漢文の内容説明問題

「国語の中でも古文・漢文の内容説明問題や現代語訳が完璧とは言えないことが気になっていた。文法、単語、背景的知識をしっかりつけることが第一だとは思ったが、直前期の時間が限られるなかでそれらを身につけるのは時間がかかりすぎると考えた。そこで、問題を解く際に主語が誰かをその都度確認していく癖をつけたところ、ストーリーが把握しやすくなって必要最低限の点が取れるようになった。」(東大文科Ⅰ類 K.Iさん)

編集部から
内容説明問題・現代語訳などの際に特に注意したいのが、古典の特徴である主語の省略や指示語がそのままになっていないか、また、人物関係や因果関係が不明確なままになっていないかということ。問題文全体の文脈を踏まえて、具体的に補うように気をつけよう。また、記述問題で最低限意識したいのは「どういうことか」と問われたら「~ということ」、理由を問われたら「~であるため」「~だから」と答えるというように、設問要求に沿った答え方をすることは基本だ。
【京大 合格者体験談】記述問題

「京大の国語の内容説明問題に対して、直前期まで苦手意識が残った。そこで、京大特講の「戦略とシミュレーション」の合格答案を見ると、模範解答ではなく合格者の等身大の解答が並んでいて、「あっ!たったこれだけでいいんだ」と思った。そこで「完璧な解答」ではなく、「採点者にわかりやすく、自分の言葉で伝える解答」が大切なのだと気づき、その点を意識することで国語の内容説明問題に取り組みやすくなった。」(京大 経済学部 M.Mさん)

編集部から
上記の合格者も言っているように、直前期だからこそ、「完璧な解答」をめざすよりも、まずは採点者に自分の説明したいことがきちんと伝わる解答を書こうとする意識が必要だ。特に、京大の現代文では、内容説明が求められている場合は、特に詳しく説明すべき要素を意識したい。その際に、筆者が定義している言葉や「 」つきの言葉、比喩表現などのキーワードに注目するとよい。古典の傍線部の内容説明を求められる設問では、傍線部を要素分けし、それぞれについて具体的に言い換えることを最低限行いたい。また、自分の意見や読みとれない因果関係など、余計なつけ足しは減点につながることもあるので注意。

数学

【東大・京大 合格者体験談】計算が煩雑な問題

「ややこしい計算問題が苦手だったが、とにかく計算の煩雑さを我慢して慣れるように努めた。あとはなるべく計算を省くための工夫を考えた。」 (東大 理科Ⅰ類 K.Oさん)

編集部から
計算ミスは誰でもしてしまう可能性はある。そこでミスしても気づくような癖をつけるべきだ。例えば、方程式の問題なら具体的に求まった値を代入して成り立つことを確認する、別の式変形で計算してみるといったように、ひと通りの計算だけで済まさないようにしよう。大問が終わったごと、もしくは全大問が終わった後にするなどあらかじめ決めておくとよい。
【東大 合格者体験談】数学III・Cの分野および図形全般

「数III・C分野の学習が進んでいなかったことと、図形全般が苦手だったこともあり、この分野の問題はあまり解いていなかったが、直前期に少し時間をかけて標準的な問題集を解き、完答できなくても小問は解けるようにした。」(東大 理科II類 H.Hさん)

「数III・Cは完全に後回しにしていたのでセンター試験後は正直あせった。問題集を解いて、最低限の解答パターンを覚えるようにした。」(東大 理科Ⅰ類 J.Aさん)

編集部から
数III・Cの2次試験対策に遅れを感じる場合は、教科書や問題集に載っているような基本的な公式や典型的な問題は最低限押さえておきたい。また、図形の問題で特に意識したいのは、座標などを導入する際は、題意の図形をどのように配置するのかなどをきちんと表現すること。その際、図を描くだけでなく、座標を導入して解答しても、一般性を失わないことを確認しておくとミスが減らせる。

地歴

【東大 合格者体験談】世界史の大論述

「頻出分野だけは教科書やノートを使って流れを理解するようにした。年号を覚えておくと、流れを理解するうえでは便利。また、大論述を書く際に、まず構成メモをしっかりとつくる練習をした。構成メモがしっかりつくれたら、後はそれを論述する練習をした。学校の先生に添削してもらい、特に直前期には言葉遣い、表現だけは最低限気をつけた。」(東大文科II類 R.Iさん)

編集部から
東大の論述問題で最低限気をつけたいのは、解答を答案用紙にいきなり書きださないこと。書くべきことの洗い出し、整理をしてから書きだそう。また、答案用紙の行を埋めることに没頭してしまうと解答に必要な要素を落としたり、論理が破綻するなど高得点を得られにくくなる。その点に気をつけて、構想段階・草稿段階で設問を再度読み、「何が問われているか」を確認し直す習慣をつけるとよい。また、特に具体的な解答が求められていない場合、知識に不安があれば、より正しいと確信できる表現でとどめておくことも失点を防ぐテクニックだ。(例えば、具体的な年代に不安がある時に「19世紀前半」と表現するなど)
【東大・京大 合格者体験談】日本史・世界史・地理の細かい知識問題

「細かい知識が全体的に抜けていると感じていたが、直前期にすべてをもう一度おさらいするのは不可能だと考え、東大特講の『予想問演習』などの演習以外は、基本的知識の確実さを向上させることに労力を注いだ。」(東大 文科Ⅰ類 H.Mさん)

編集部から
歴史用語は誤字などケアレスミスで点を落とさないよう、必ず見直しておこう。特に、人名・地名などのまぎらわしい漢字は要注意だ。例えば、若槻礼次郎の「次」や品川弥二郎の「二」などの、同音の漢字は落としがちである。直前期はこれらの漢字について、本番で迷わないように意識して確認しておくとよいだろう。

理科

【東大 合格者体験談】化学の複雑な計算問題

「無機化学の気体が絡む計算問題や、緩衝液の絡む酸・塩基の滴定実験の問題が苦手だった。とにかく複雑な計算をすることを我慢して練習した。本番で解けなかった場合は、すっぱりあきらめて、計算の楽な有機化学から挑むことにしていた。」(東大 理科Ⅰ類 Y.Hさん)

「理論化学の複雑な計算問題が苦手だった。理科は時間がなく焦っているうえに、けた数の多い計算問題は時間の割に得点効率が悪いため、とりあえず式だけ書いて後回しにするという戦略で、しのぐようにした。」(東大 理科Ⅰ類 Y.Oさん)

編集部から
計算問題では、有効数字などが指定されている場合が多い。指示に注意してミスを防ごう。また、計算過程を書くことが求められる場合も多い。計算過程を言葉で説明する時には、単語だけを羅列するのではなく、立式の根拠や計算式の意味、解答の方針をはっきり明示して、誰が読んでもわかるような読みやすい文章で書くことを意識したい。また、解答作成時に、問題文中にない文字を使用する必要がある時は、「○○の値をx〔g〕とする」などと前提を示してから使用するとよい。
【東大 合格者体験談】物理の電磁気、波

「電磁気の交流と、波の問題に苦手意識があったので、その現象がなぜ起こるのかを参考書を読んで、必要な基本的な原理のみ最低限理解しようとした。そこから解答の定石を覚え問題に対応できるようにした。」(東大 理科II類 H.Fさん)

編集部から
いたずらに問題にあたって解法を機械的に覚えるよりも、上記のように、まずは基本的な原理を理解することの方が東大物理には得策だ。物理現象がなぜ起こるのか、と観点をもって教科書等を読むと効果的だ。基本原理の理解があったうえで、解答の定石を身につけることは意味があるだろう。時間がないのであれば、ここで難しい問題の解法をたくさん覚え込もうとせず、一つひとつの問題を丁寧に解き、さらにじっくり分析し、どんな基本原理や法則がどのように関係しているのかを納得がいくまで考えることが大切だ。
【東大・京大 合格者体験談】生物
編集部から
生物は得意としている人が選択する傾向があるためか、今回のアンケートにおいては特に直前期の苦手分野などの声は聞かれなかったが、次の基本事項には改めて注意しておきたい。
まず、文字数や有効数字などが問題文の指示通りになっているかを見直しの際にチェックしたい。また、論述では「何がどうなった」という主述が明確になっているか、その根拠が示されているかなどを書き終えた後に確認するようにし、失点を防ぎたい。