
2次試験まで残り1か月と少し。いよいよ追い込み時期だ。ここでは東大入試における得点戦略を考えていきたい。安定的に高得点を取るのは難しいという受験生、つまり模試などで440満点中、文科各類なら300点以上、理科I類やII類なら280点以上を確実に取れていない場合は、以下の内容を改めて押さえておきたい。
2009年度の東大入試の科目別得点状況は以下のようになる。2009年度は文理いずれも合格者平均点が15点程度上昇した。また、合格者最低点もここ2年続けて上昇しているため、目標点を従来の合格者最低点と同程度の点数に設定するのは非常にリスクを伴う。
| 2009 | 2008 | |
|---|---|---|
| 文I | 365.55 | 347.47 |
| 文II | 357.24 | 341.15 |
| 文III | 350.70 | 334.84 |
| 2009 全体平均 | 全体平均の差 (2009-2008) |
2009合格者平均 | 合格者 |
|
|---|---|---|---|---|
| 数学 | 46.48 | 6.56 | 53.70 | 3.56 |
| 英語 | 79.02 | 8.43 | 85.38 | 5.20 |
2009年度の場合、文科類では全体的に得点率が高くなった。特に英語と数学の平均点上昇が目立った。文科各類では260点が合格最低ラインであり、2008年度に比べ15点程度合格者最低点が上昇した。文科類は特定の教科・科目が合格者と不合格者で大きな差がついているということはなく、いずれの教科・科目も合否に関わっている。つまり、バランスのよい学習が求められたと言える。
| 2009 | 2008 | |
|---|---|---|
| 理I | 323.32 | 314.58 |
| 理II | 322.51 | 309.70 |
| 2009 全体平均 | 全体平均の差 (2009-2008) |
2009合格者平均 | 合格者 |
|
|---|---|---|---|---|
| 数学 | 44.28 | 3.87 | 51.86 | -6.62 |
| 英語 | 39.87 | 6.19 | 44.77 | 5.68 |
2009年度の場合、理科類では、特に物理での平均点上昇が目立った。数学は2008年度と比べ、合格者平均はマイナスだが全体平均がプラスになったように、合格者の上位得点が伸び悩んだ。理科I類・II類では225点が合格最低ラインであり、2008年度よりも15点程度合格者平均点が上昇した。2008年度に比べると2009年度は数学で差がつかず、その分英語の合否に与える影響が高まった。すなわち2008年度の理・数中心からバランスのよい学習が求められたといえる。
ご存じのとおり、東大入試は文科各類・理科各類のいずれも4教科での受験だ。ということは裏を返すと、1つの教科で失敗したとしても、他の教科ができれば取り返せる可能性が高い。各教科どのように得点するかのイメージを持つと同時に、いずれかの教科で失敗したときの得点戦略を考えておけるとベターだ。特にここ近年は理系の数学の合格者平均点が低めの年が続いている。数学が得意で数学で稼ぐことを考えている人は、万が一に備えて数学で失敗したときの得点パターンのイメージもつくっておいたほうがいいかもしれない。
また、合格得点を手に入れるために(不必要な失点をしないために)、絶対に注意してほしいことを教科別に以下にまとめた。なお、ここに掲載した情報よりも詳細な得点戦略は東大特講『予想問演習』の付録「戦略とシミュレーション」で確認できる。
東大英語で考えておかなければならないのは、時間配分と大問を解く順番だ。試験開始後45分で開始になるリスニングで思考が分断されると、非常に非効率になる。また、そのリスニングそのものの対策も重要。東大特講『東大リスニング講座』などで、東大の形式に特化した対策をしておきたい。基本的に東大英語では手をつけない問題を設定することは考えにくいだろうから、全問題にあたることを前提にしたシミュレーションをしておきたい。
東大数学で考えておきたいのは、大問のうち何問を完答するかの目標設定だ。文科でも理科でも全大問を完全に解ききるのは難しいだろう。そのために、目標の設定とそれに応じて試験時間中に見極めができるようにしておきたい。文科なら2大問+α、理科はその年の問題の難易に大きく左右されるがやはり3大問は目標としておきたいところだ。もちろん、得意な人はもっと上の目標設定をしておきたい。
東大国語は数学と異なり合格者平均点が安定している教科である。国語が特別得意な人を除いて、高得点をねらうよりも大きな失点をしない方法をとりたい。国語の中では、現代文訳を中心に古文・漢文が比較的得点しやすいとされているので、まずそこでなるべく確実に点数を稼ぎ、現代文で積み重ねるのがオーソドックス、かつ、よい方法だ。
東大理科は2科目を150分で受験する。したがって、2つの科目、6つの大問をどういう順番でどれだけ時間をかけるかが非常に重要になる。例えば多くの受験生が選択すると思われる化学を例にすると、2科目のうち化学を先に解くか後に解くか、第1問から解くのか、有機化学であることが多い第3問から解くのか。自分自身の思考や得意・不得意を考え合わせて順番を決めておきたい。またどれくらいの時間を費やしたらその大問を見切って次の大問に進むかの基準も考えておきたい。
東大地歴も理科と同様に、2科目を150分で受験する。限られた時間内での時間配分が鍵になるので、より得意な科目から取り組んで確実に得点していきたい。まず、2つの科目の各大問をどういう順番で、どれだけ時間をかけるかが重要だ。中でも多くの受験生が選択する世界史は、確実に得点しやすい第3問→第2問→第1問の順で解くのがよいだろう。
一方、日本史や地理をどのタイミングで解くのか。世界史第1問の大論述は難度が高いうえに、まとまった時間が必要だ。そこで、日本史や地理は世界史の第3問と第2問の間、もしくは、第2問と第1問の間に取り組むのがよいだろう。これらの順は科目の得意・不得意を考慮して自分に合った順番を決めるとよい。あらかじめシミュレーションしておこう。