試験時間:(2科目で)180分 大問数:4題
与えられた実験結果を分析して考えをまとめていく問題が中心ではあるが,特に,計算問題では,単純に計算するだけでなく,計算結果の持つ生物学的な意味など,生物現象と照らし合わせる力が必要になる。何よりも,生物の基本的な内容を正確に理解していることが前提であり,基本的な知識やデータを正しく解析する力が求められる。論述問題では,比較的長文の問題が多く,短時間に文章をまとめる力が求められる。
設定条件をもとに計算する問題は頻出なので,データを正しく理解して確実に計算する力が必要である。また,グラフや模式図を描かせる問題も出題されることがあるので,描けるようにしておきたい。
| 科目 | 分野 | 小分野 | 2010 | 2009 | 2008 | 2007 | 2006 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 生物I | 細胞 | 細胞の機能と構造 |
3 |
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2 |
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| 細胞の増殖と生物体の構造 |
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| 生殖と発生 | 生殖細胞の形成と受精 |
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4 |
1 |
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| 発生とその仕組み |
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1 |
1 |
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| 遺伝 | 遺伝の法則 |
4 |
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3 |
3 |
3 |
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| 遺伝子と染色体 |
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|
3 |
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||
| 環境と動物の反応 | 体液と恒常性 |
3 |
2 |
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|
1 |
|
| 刺激の受容と反応 |
1 |
|
2 |
2 |
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| 環境と植物の反応 | 植物の生活と環境 |
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3 |
4 |
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|
|
| 植物の反応と調節 |
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|
4 |
|
2 |
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| 生物II | タンパク質と生物体の機能 | 生物体内の化学反応と酵素 |
2 |
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|
1 |
| 同化と異化 |
2,3 |
3 |
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|
2 |
||
| タンパク質の機能 |
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|
2 |
|
1 |
||
| 遺伝情報とその発現 | 遺伝情報とタンパク質の合成 |
1 |
1 |
2 |
3 |
3 |
|
| 形質発現の調節と形態形成 |
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|
1 |
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|
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| バイオテクノロジー |
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|
3 |
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||
| 生物の分類と系統 | 生物の分類 |
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|
4 |
4 |
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| 生物の系統 |
1 |
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|
2 |
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| 生物の進化 | 生物界の変遷 |
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|
|
| 進化の仕組み |
4 |
4 |
4 |
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| 個体群の構造と維持 | 個体群の維持と適応 |
2 |
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|
4 |
|
|
| 物質生産と植物の生活 |
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|
|
4 |
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||
| 生物の群集と生態系 | 生物群集の維持と変化 |
2 |
|
4 |
4 |
4 |
|
| 生態系とその平衡 |
|
|
4 |
4 |
4 |
※幅広い分野からの出題であるが,遺伝や分子遺伝は頻出である。
※選択分野である生物の進化と分類,生物の集団が共通問題として出題されている。2009年度は生物の進化について出題されたが,2010年度では,生物の進化,生物の集団の両方から出題された。
| 2010 | 2009 | 2008 | 2007 | 2006 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 図表の数 |
10 |
7 |
13 |
12 |
8 |
|
| 設問 | 短文 |
2 |
0 |
0 |
2 |
3 |
| ~50字 |
1 |
2 |
1 |
0 |
1 |
|
| ~100字 |
2 |
4 |
8 |
6 |
15 |
|
| ~150字 |
1 |
1 |
2 |
5 |
1 |
|
| ~200字 |
2 |
0 |
1 |
0 |
0 |
|
| 空所補充 |
13 |
11 |
32 |
3 |
8 |
|
| 選択 |
12 |
9 |
2 |
5 |
3 |
|
| 計算 |
8 |
20 |
2 |
1 |
1 |
|
| その他 |
4 |
2 |
1 |
7 |
8 |
※2009年度に比べ図表がやや増加した。
※2009年度に比べ空所補充による知識問題がやや増加した。
※2009年度に比べ論述問題が減少,計算問題が大幅に減少した。
論述では,2009年度に続き,字数制限のある論述問題はなく,データや実験結果を考察する論述問題,知識をもとにした論述問題とも,長文の解答が要求されている。また,2010年度は,1つの大問内で,多くの単元の内容が扱われており,各単元をつなげて総合的に考える問題となっている。
特定の分野の細かい知識だけではなく,生物に関する幅広い知識に基づき,個別の事例について実験条件を理解し,その結果やデータから考察する力が要求されている。よく知られた一般的な実験や目新しい実験などいろいろなタイプの実験を総合的に分析できるかが試されている。
選択分野については,2009年度は生物の進化と分類が出題されたが,2010年度では,生物の進化と分類,生物の集団と生態系の両方から出題された。両者は選択問題ではなく共通問題として扱われているので,これらの分野に関しては両方とも学んでおくことが必要である。
| 大問 | テーマ | 難易度 | 内容と求められた力 |
|---|---|---|---|
| 問題I | 遺伝子・系統樹 |
標準 |
【出題内容】 ・電気泳動による突然変異の検出 ・視物質の分子系統 【求められた力】 ・図表や文章内のデータを的確に解釈し,選択肢を照らし合わせる力,データをもとに計算する力 |
| 問題II | 窒素循環・タンパク質 |
標準 |
【出題内容】 ・生態系内の窒素の流れ ・食品に含まれる必須アミノ酸の割合 【求められた力】 ・与えられた条件の下で生物現象を考察する力 ・条件を見落とさずデータを正確に解釈する力,多くのデータをもとに計算し,分析する力 |
| 問題III | 細胞・呼吸 |
標準 |
【出題内容】 ・不連続密度勾配遠心法 ・電子伝達とATP合成の連動 【求められた力】 ・与えられたデータをもとに計算し,さらに計算結果をもとに実験結果を分析する力 ・実験結果と自分の持つ知識を総合して,実験結果を解釈する力 |
| 問題IV | 進化・遺伝・集団遺伝 |
標準 |
【出題内容】 ・ヘビの歯の左右非対称性の進化 ・カタツムリの右巻き・左巻きの遅滞遺伝,集団遺伝 【求められた力】 ・自分の持つ基礎知識をもとに文章の内容を解釈する力 ・与えられたデータをもとに計算する力 |
※「難易度」は,合格者の正答率が6割程度だと京大特講編集部が推測したものを「標準」とした。
京都大の生物の問題はすべて難問というわけではなく,用語の問題や論述問題の一部など教科書レベルの基礎知識で解答できる問題が,少なからず含まれる。これらの問題は確実に得点することが大切である。用語や代表的な実験は整理して,正確に覚えておこう。
京都大の問題は実験考察問題が中心である。実験結果から何がわかるのか,正確に分析できるようにしておこう。まずは,歴史的な実験(発生ならシュペーマンなど)について,実験結果と結論の関係を理解すること。それができたら,過去の京都大の問題や他の大学の入試問題などで訓練していこう。また,京都大では考察の過程として難しめの計算問題が出題されるが,ただ機械的に計算して終わるのではなく,計算結果と生物現象と結びつける訓練を積んでおこう。
比較的,長い論述問題が多いので,短時間に自分の考えをまとめる力が必要である。まずは,短めの知識論述問題(例えば,原核細胞の特徴を50字以内でまとめる)を,問題集などで特訓しよう。その後,字数を増やして文章を書くことに慣れてから,実験考察問題の論述にとりかかろう。
京都大では,生物のしくみや知識を問うだけではなく,そのしくみや構造が何のためにあるのか,どのように生存・繁殖に役立っているかなど,適応という生物学の根本を問う問題が多い。このことを意識して学習に取り組みたい。
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