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「√」それは東大合格・京大合格へのルート。 東大合格・京大合格を目指す方へのメッセージをお届けします。
2009.01.28
前回に続いて、今回も「採点・アドバイスサービス」の12月の第1期提出期間に提出された答案の採点者が、そのときの失点傾向やポイントになっているところの一部を、あなたにお届けする。 今回は理科(物理、化学、生物)、地歴(日本史、世界史、地理)である。これを参考に第3回の問題に取り組み、2次対策を完全なものにしよう。
※以下、「解答解説」をお手元にご用意いただくと、より有効です。
■東大物理
第2問が最も出来がよく、第1問の出来が成否のカギ。
イオン(荷電粒子)の電場中、磁場中の運動に関する出題の第2問では、ほとんどの解答でIからIIまでできており、高得点になっています。IIIは問題文中の「収束性」の意味をとらえにくく、ほとんど手をつけられていません。
力学の第1問ではIは出来が非常によいですが、IIができた解答とできなかった解答の差が大きくついています。(1)で小球の速さがどの地点で最大になるか、(2)で正しく運動方程式、エネルギー保存の法則の式を立式できるかの2点がIIのポイントです。IIIは単振り子の問題で実際は解きやすい問題なのですが、IIの最後で力尽きたのか、手をつけていない解答が多くなっています。光の干渉に関する出題の第3問はやや難しく、ほとんどの解答はIまでしか解けていません。また、IIを解いている解答も多くが不正解で、IIIにいたってはほとんど手をつけられていません。
■東大化学
第3問IIがよくできていて、第1問IIや第3問Iの出来が分かれ目。
第1問のIのアでは活性化エネルギーの低下はよく答えられていますが、もう1つのポイントである、エネルギーの山を超える分子の割合の増加まで書けている答案は少ないです。カは、量子収率という見慣れない数値を求める問題ということもあり、ほとんど手つかずの状態で、正答までたどりついているものはごくわずかです。IIのキ、クは気体・液体が存在するもとでの物質量などを求める問題で頻出なのですが、思いのほか出来が悪く、酸素、水素の分圧が5.0×(10の4乗)Paになることを忘れている解答が散見されます。
無機化学の第2問のうちIIのオ、カはコロイドの電荷に関する問題ですが、得点できている答案は少ないです。キはpHが低くなった場合は書けていますが、pHが高くなったときに沈殿生成することまで書けている解答は少ないです。有機化学の第3問はIのアでは問題文中に示された例に従って書けている解答が少なく、官能基が炭素環の上なのか下なのかわかりにくい答案や数えモレのある答案が多く見られます。IIのオは弱酸であることは多くの人が答えられていますが、価数まで書けている解答は意外に少ないです。ケでは2つの分子が水素結合で結びついた構造式が散見されました。酢酸などの二量体と勘違いしたようです。
■東大生物
グラフや図から読み取れることをまとめられるかがカギ。
第1問は視覚に関する実験考察の問題です。IのA、B、IIのBは知識問題で、確実に点を取りたいところです。差がついているのはIIのAとIIIのAで、IIのAでは、〔文2〕の最後のほうにある「緑視物質の遺伝子と赤視物質の遺伝子はX染色体に並んで存在し、またアミノ酸配列の一致度も96%と非常に高い」の部分を見逃して図1-3だけから考えてしまうと、遺伝子の重複について記述できなくなってしまいます。IIIのAは、実験1と2の違いから実験2の優れた点を答える問題ですが、「青色か濃淡の異なる灰色か」に着目せず、「1枚か多数か」や「左右に並べるかランダムに並べるか」に着目してしまうと「明度の違い」という結論にたどりつけなくなります。
抗原抗体の反応を実験結果から読み取る第2問は、IIIのCとDがポイントで、抗CD25抗体や抗TGF-β抗体がどういう反応を引き起こし、その反応が新たにどういう反応を引き起こすかを記述しなければなりません。第3問は、植物の成長調節機構に関する問題です。特に、IIIのB(a)の、図3-7のグラフからコミネカエデが「一つ目の節の葉だけ他の葉に比べて大きい」ということを読み取れるかどうかがカギとなります。大問別には第3問が比較的易しめですが、いずれの問題もグラフや図から読み取ることをまとめられるかで出来・不出来が決まります。
■東大日本史
第2問Aと第3問の出来がよいが、まんべんなく点が取れている人とそうでない人との差が激しい。
第1問は古代からの出題で、儒教の「受容」→「展開」→「衰退」という流れを資料文から読み取ることができればわかりやすいと思います。設問Aが「受容」→「展開」、Bが「衰退」に当たります。Aではこの流れを軸に、資料文から読み取れる情報(「6世紀に伝来」、 「徳政に関する議論」 )と、持っている知識(「中央集権国家の政治思想として定着」)を組み合わせていけば解答が完成します。儒教思想の内容を書いていた答案もありましたが、設問はあくまで「受容と展開」を述べよというものです。
第2問は中世からの出題。Aはよく出来ていました。Bはまず、「頼朝はどのような対応をとったのか」という設問なので、それに対して「積極的に協力した」と答える必要があります。ポイントとなる「東大寺再建の位置づけ」として「国家事業」という言葉を挙げた答案は非常に少ないです。
第3問Aは「村方騒動」「村請制」を説明する問題なので知識の有無で差がついています。Bは「幕府の対応の背景」として「本百姓体制の維持」を挙げていた解答が多くあります。確かに正しいのですが、資料文からはあまり読み取れず、むしろ資料にある「仁政観念」を解答に含めたほうがいいでしょう。近・現代から出題された第4問は、「戦後恐慌」はほとんどの解答で書けていましたが、「米国提案を受け入れた経済的理由」を正確に書けている解答は少ないです。
■東大世界史
第2問の(1)(2)の出来がよい。第1問と第2問の(3)がポイント。
小論述の第2問において、(1)は朝鮮の王朝2つが書けている解答は満点に近く、(2)も東南アジアの王朝・国として何を書くかわかった解答はほぼ満点の答案です。ただ高麗版大蔵経が金属活字で書かれたものとする誤答が散見されます。
一方、大論述の第1問と第2問(3)は論述の際に因果関係に触れることが必要なため難しいようです。 第1問はマイナスの影響を書くという意識の乏しい人が多く、配点の高い要素を抜かして大きな失点をしている答案が目立ちます。また、ザミンダーリー制という難しい用語の処理の仕方に迷い、字数を大量に使ったり、南京条約について詳しく書きすぎて加点要素が書けなくなったりする解答も見られます。
第2問の(3)は前期倭寇の取り締まりのための海禁政策と、海禁によって琉球王国の中継貿易が栄えたという前半と後期倭寇のために海禁緩和を余儀なくされるという後半の二部から成り立たせるのが設問の指示ですが、前半と後半をしっかり分けて書いていない答案や、接続語などの表現方法を誤ったために全く違う意味にとれてしまう答案が見られます。
■東大地理
第1問のA(2)、C(3)や第2問のB(2)、第3問のB(3)で、どこまで記述できているかがポイント。
地誌の出題である第1問は全体的によくできています。ただ、設問A(2)や設問C(3)ともに完答している解答は少なく、設問A(2)では気温か降水量のどちらか一方しか書いていない解答や、設問C(3)では緑の革命の影響として地力の低下まで書けていない解答が数多くあります。
第2問は日本の産業に関する出題で、設問A(2)と設問B(2)が比較的難しいようです。設問A(2)ではただ単に「値段が高い」としか書けていない解答が目立ち、「生産費が高い」から「値段が高い」と書けている解答は少ないです。設問B(2)では指定語句をどこでどのように使うのかわかりにくいようで、完答はほぼいません。
第3問は都市に関する問題で、設問Bは「DID」という概念自体をよく理解できていないようです。設問B(3)の発展途上国における都市への人口の一極集中も、「貧困」や「余剰人口」などのキーワードを使ってうまく書けている解答はあまりありません。設問C(2)は比較的解きやすい表の読み取り問題でしたが、人口規模、人口密度、分布の特徴のすべてを90字以内に盛り込んで書けている答案は少ないです。
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■京大物理
各大問ともによくできているが、大問IIの「2次の微小量の取り扱い」で差がつく。
大問Iの気体の分子運動論の問題では、多くの人が満点に近い得点をしています。失点している人は、問題の流れに乗れないというより、(ア)の弾性衝突の符号を間違えたり、(タ)~(テ)で次元の計算がうまくできないことが多いためです。
大問IIは電磁気学と力学からの融合問題で、2次の微小量の近似を多く使用する問題になっています。(ハ)のように、(ロ)の式からΔrΔvを取り去って式変形をすることで答えが出る、といった出題が多いので、流れに従って2次の微小量を無視していけばよいのですが、この流れに乗れず、(ハ)から間違う例も見られます。一方、近似を使えと指示がない(ト)で近似を使ってしまうミスもみられます。ここでは2次の微小量を無視してよいと問題文には書いてありませんので、すべての項を正しく書く必要があります。
■京大化学
大問Iから大問IIIの後半の小問で差がつく。
大問Iから大問IIIはどの大問も後半の小問になるにつれて出来が悪くなっています。酸化還元滴定と化学平衡の問題である大問Iでは、問2で過マンガン酸カリウム水溶液の具体的な色について言及しておらず減点される解答が目立ちます。また、問5、問7といった電離定数などを用いてカルシウムイオン濃度などを正しく文字を使って表す問題で、分子・分母の取り違いといった計算間違いで差が出ています。
大問IIでは、問6以降のフェライト法で白紙の解答が多く、これはフェライト法の反応式をつくるまでに至らないためと思われます。有機化学の大問IIIでは、この大問で中心となる物質の構造式を求める問4、問5ができるかどうかで差が出ています。特に問5で白紙の答案が多く見られます。高分子化合物からの出題である大問IVでは、いずれの小問もできている人とできていない人が極端に分かれています。
■京大生物
反応機構やしくみを考えさせる問題で差がつく。
大問Iの問1、大問IIIの問1、大問IVの問4といった空所補充問題はいずれも出来がよいです。であるがために、ミスは許されませんが、大問Iの問1のイで「副甲状腺」を「複甲状腺」などといった漢字のミスもわずかながら見られます。
出来が悪いのは、破骨細胞の分化のしくみを実験データから読み取る大問Iの問3です。ここではタンパク質Aが細胞膜タンパク質であることを述べていない解答が多くなっています。また大問IIの問4や問6(2)では白紙の答案が多くなっています。これは解くのに時間がかかり、後回しにされたためかもしれません。大問IIの問4や問6(2)や大問IIIの問4はいずれも反応機構やしくみを考えさせる問題で、こういった問題で差がつくと考えられます。
■京大日本史
大問Iにある史料問題が差がつくポイント。
大問IVの論述問題は全体的に高得点を取れています。(1)の武家法の展開、(2)の天保の改革といったトピックが比較的書きやすいためと思われます。ですが、全体の出来がよいだけにミスして命とりになるケースが多くみられます。大問IV以外でも、大問Iでは(1)「推古」や(5)「白村江の戦い」といったものは全体的に出来がよかったためミスが許されない問題です。 京大日本史の問題には難解な歴史用語を要求するものもあるので、簡単な問題は確実に点を取っておきたいところです。
一方、差のつきやすかった問題は、大問Iの史料問題です。史料問題は史料の読解力(古文の力)と日本史の知識の両方を問われます。今回の出題でいうと、単文記述(大問I(13))で差がついています。大問I(13)の答えは「赤松氏の家臣を播磨の国から追放すること」となります。これは「土民侍をして国中に在らしむべからざる所云々」の部分を、知識で補いながら訳していくと解答に辿りつくのですが、「赤松氏を国外追放すること」と史料を読み違えた解答や、「家臣を追放すること」など「誰の家臣か」が足りないものが見られます。
■京大世界史
大問IVの出来がよく、大問IIが出来・不出来の分かれ目。
台湾・チベットに関する論述問題である大問Iは全体的に非常に出来が悪いです。特に「台湾は日清戦争後に日本領になったこと」、「チベットは辛亥革命後に事実上独立したこと」が書けていません。大問IIは出来のよい答案と悪い答案の差がはっきりと出ています。特に、問(12)をデウシルメをイェニチェリと答えるなど、用語の意味を正確に覚えているかどうかで差が出ているようです。
中世フランスの王権の伸長に関する論述問題である大問IIIは比較的出来がよく、「百年戦争」という用語はほとんどの答案で書けています。ただ、「騎士の没落」といった百年戦争の影響まできちんと書けている答案はほとんどありません。西洋史に関する記述問題である大問IVは全体的には出来がよかったのですが、オランダ独立戦争時に、オランダの新旧両教徒がスペイン本国に対してどういった行動をとったかを問う問(11)、ウェストファリア条約が「神聖ローマ帝国の死亡証明書」と称される理由を問う問(13)の出来はあまりよくありません。
■京大地理
大問IIIの出来が最もよく、大問IVの各国の課題や状況を述べる点で差がついている。
大問IIIは第1次産業を中心とした図表読み取りの問題ですが、(5)でバナナをフィリピンから日本に輸出していることまで言及しているものは少ないです。地形図の問題である大問Iでは(4)の出来がよくないです。地形図から河川の状況と土地利用について述べる問題ですが、出題の地域が扇状地の扇央部であることに気がつくかどうかで大きな差がついています。
地誌の大問IIでは(2)2の降水量における季節的な特徴を述べる問題で、季節・風向・降水量の関係が全て正しく記述されているものがほとんどありません。また(3)2で、インド・スリランカ東海岸の津波を引き起こしたプレートの名前を2つとも答えられているものは非常に少なかったです。大問IVでは(2)iiが白紙解答が多く、(4)iiでは「民工潮」という言葉が書けていないなど、資料から国名の読み取りはできても、その各国の課題や状況を述べる点で差がついているようです。
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