試験時間:120分 大問数:5題
試験全体を通して,多様で多量な問題の処理が求められる。その傾向は近年ずっと続いている。
大学入学以降にも必要となる言語能力や論理的思考力を英語を介して見る問題が出題されており,不必要に高度ではないがしっかりとした文法知識や語い力が不可欠である。
| 大問 | 出題領域 | 2008 | 2007 | 2006 | 2005 | 2004 |
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| 論説文:人を顔で判断することの難しさ(270語) | 論説文:詩を読むことの創造的側面(280語) | 論説文:民主主義の功罪(240語) | 論説文:人体のリズム(180語) | 論説文:記憶の仕組み(270語) | ||
| 論説文:地底の微生物と生命の起源(940語) | 論説文:インドにおけるごみ処理とリサイクル(750語) | 論説文:ある島の祭り(1090語) | 論説文:エスペラントについて(790語) | 論説文:マダガスカルにおける環境保護計画(750語) | ||
| 共同研究発表の手順について:メール文完成(2箇所で30~40語) | リスニングに関する相談:内容説明(50~60語) | 競争の教育的効果について:内容説明(60~70語) | 割れた花瓶と怒る女性,隠れる男性:イラスト説明(30~40語) | 自宅か一人暮らしか:意見記述(50語) | ||
| 50年後の交通手段の変化と生活への影響:意見記述(50~60語) | UFOに気付く女の子と,気付かない男の子:イラスト説明(40~50語) | 人生の決断:意見記述(60~70語) | コミュニケーションスタイル:論説文完成(3箇所で40~50語) | 登山隊長の言葉の要約:内容説明(60語) | ||
| 講義:ブータン社会の現状(420語) | 講義:都市化による歩く行為の減少(580語) | 講義:サマータイム(530語) | 講義:エネルギー消費問題(480語) | 講義:書籍の販売について(490語) | ||
| 会話:集合住宅の建設案説明(430語) | 講義:アフリカ呪術について(470語) | 会話:商品発表(430語) | レポート:EUでのIDカード(430語) | 会話:本の紹介(580語) | ||
| 議論:集合住宅の建設案説明を受けて(460語) | 会話:アフリカの呪術に関する講義を受けて(500語) | インタビュー:商品発表(450語) | 会話:EUでのIDカード(480語) | 電話:苦情対応(520語) | ||
| 誤文訂正(220語) | 誤文訂正(130語) | 文中語句整序(340語) | 誤文訂正(320語) | 語句整序(380語) | ||
| 論説文:携帯電話とe-mailの意義の違い(220語) | 論説文:医療の性質と役割の変化(200語) | 論説文:提案と合意(120語) | 論説文:科学革命(340語) | 論説文:Becoming Mona Lisa(250語) | ||
| 小説:母と娘(970語) | 小説:BACK HOME(1230語) | 随筆:テレビ時代に現実と虚構を取り違える社会現象(780語) | 物語:灯台守と少年(880語) | 物語:分離独立と混乱(1050語) |
※語数は概算です。
※第1問(B)の語数は選択肢の語数も含みます。
[1]Bは’07年度の形式を踏襲し,[2]Bがイラスト説明問題でなくなったが,問題構成は例年とほぼ変わらない。難易度は例年と比べると標準的。第5問の英文の分量が減少し,全体として文章の「抽象度」が下がっていることから,’07年度と比べると若干易化したものの,依然として効率的な答案作成が求められている。
| 大問 | 出題領域 | 難易度 | 内容と求められた力 |
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標準 |
全体を把握し,論理的にまとめる力人を顔で判断することの難しさについて書かれた英文の要旨を日本語でまとめる出題である。論旨は若干把握しづらいが,語い・構文は平易。generallyやin factなどの副詞(句)を手がかりに重要な箇所を見極め,また,HitlerやChaplinなどの具体例は要約に含めないという王道を押さえていれば書きやすい。解答の制限字数が’07年度より減って平年並みに戻り,字数内に収めるには工夫を要するため,日本語の力も試していると言える。 |
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やや易 |
短時間で英文の全体の流れをつかむ読解力’08年度は’07年度の多角的な出題が踏襲された。英文は,地球外生命体や生命の本質について地底に生息する微生物の調査・研究からアプローチするという興味深い内容。(3)の段落整序の設問は,ダミーの選択肢もなく取り組みやすい。論理展開よりも,状況を思い浮かべて時系列で並べられる部分もあった。(4)の表題を選択する設問からわかる様に,全体の流れを把握する力が問われている。よくわからない言葉があっても構わず読み進める姿勢が必要である。 |
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標準 |
文法的な誤りがない正確な英文を書く力3通(3人)のe-mailからなる状況設定は新しいが,内容的には以前に出題されていた空所補充と変わらない。共同研究発表の手順に関して,最初に提案された手順を受けて,(1)の空所で問題点を指摘し,(2)の空所で新たな提案をする。空所の前に与えられた接続詞butや,I would rather suggest that から,書くべき展開や内容を考えるのは容易であり,ここでは差はつきにくい。だからこそ,時制や単・複など文法的に正確な英文を書きあげる力が何よりも必要になる。 |
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やや難 |
書く内容を素早く構成し,文法的に正しい英文でまとめる力将来の交通手段の変化とその生活への影響を想像して50~60語で書く自由英作文。[2]Aとは異なり,書くべき内容を考える負荷が高い。交通手段の変化は比較的想像しやすいかもしれないが,それが生活に与える影響までを短い時間でまとめるのは難しいだろう。環境やエネルギー関連の語いを使いこなせるかどうかも,内容を決めるカギとなる。もちろん,[2]Aと同様に文法的に正しい英文を書く力は絶対に必要となる。 |
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標準 |
ある程度の量の英文を聞き取り,テーマ・展開・論拠をつかむ力ブータン社会の現状に関する講義を聞き,問題用紙に印刷された内容一致問題に答える選択形式。講義の分量は減ったものの,あらかじめ問題用紙の設問を確認しておき,ポイントを絞って聞かないと答えにくい。また,(1)(4)は述べられていないものを1つ選択する問題。集中して聞き,ひとつひとつつぶしていく必要がある。リスニング問題としてはかなり高度な語いも要求される。 |
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やや難 |
聞き取った情報を基に状況を想像する力集合住宅の建設にあたり,デザイン案の説明の会話を聞いて問題用紙の問いに答える形式。情報量が多いうえ,多くの受験生が苦手とする,形状を表す語いが含まれている。また,建築計画という状況は受験生になじみが薄く,想像しにくかっただろう。聞きながらすぐに場面を思い浮かべる力が求められた。(ただし,30,000平米の敷地にイラスト通り建設すると,集合住宅としては非現実的な巨大さだ。)(2)のディクテーションは数字のみで平易。(5)のイラスト問題はセンター試験に似た出題とも言える。全体として,形状や位置関係などに関する表現に慣れていることが必要であった。また,印刷されている設問を先に読んでおくことも[3]Aと同様に重要である。 |
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標準 |
会話の状況を想像しながら聞く力(B)の会話を受けての議論という形式。やはり,情報量が多いので,設問を先読みするなどしてポイントを絞って聞く必要がある。(5)のディクテーションは,’07年度は文の中間が抜けている形だったのに対して,ほぼ文全体となったため,やや難しい。9語くらいは一気に書き取れるだけの練習をしておく必要がある。 |
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やや易 |
基礎的な文法知識,文章全体の意味を理解する力トライリンガルの著者によるエッセイを題材として,指定された文の中から文法上または文脈上取り除かなければならない語を指摘させる問題。(2)(5)の否定語の要・不要などは文法ではなく文脈による判断でしか解けない。したがって,英文全体の意味を正しく理解する読解力が重要である。問われている文法・語法自体は,センター試験レベルの基礎的なものである。 |
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標準 |
構文を捉える力。前後関係から指示語の内容や単語の正しい意味を捉える力携帯電話とe-mailの意義の違いに関する論説文を読み,指定された部分を和訳する問題。一般に入試頻出の話題であり,語いレベルもさほど高くない。しかし,文構造をきちんと把握できないと(1)の長い挿入部分に足をすくわれる可能性はある。さらに,(2)のmailを日本語の「メール(=e-mail)」と混同せず「郵便」と訳出できるかのような細かいところもポイントとなった。 |
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やや易 |
小説文ならではの場面・人間関係・心情を読み取る力娘を思う母の気持ちと思春期の娘の自由を欲する気持ちを描いた短編小説が題材になった。問題文自体は易しめの語いで構成されており,’07年度の1230語から約2割減っている点で,かなり読みやすくなっている。登場人物の心の変化や語り手の視点の変化を捉える力が求められており,そのためには小説を読み慣れている必要がある。様々な種類の設問が設けられていたが,いずれも基礎がしっかりしていれば容易に対応できる。(1)から(9)は,英文を読み進めながら順次解答していけるものである。(3)の整序英作文は少しやりにくいが,’07年度の整序よりはまだ解きやすい。(9)の和訳はget away withをどう訳すかがなかなか難しい。 |
※「難易度」は,全問題中での相対難易度。合格者の正答率が6割程度だと東大特講編集部が推測したものを“標準”とした。
東大入試は問題量が多く,英文を何度も読み返すだけの時間的余裕はない。標準的な語いから成る英文でよいので1000語を超えるような文章を一気に読み通す練習をしておこう。そうすれば,多量の英文にもあわてずに対応でき,論旨をつかめるようになる。過去問を中心に,要約,パラグラフ整序,和訳など各設問形式に合わせて演習すること。記述解答力を高めるためには,書くべきことを見極めてから解答を必ず自分で書き,読み返す習慣を身につけること。
一定のテーマ・話題についての自分の意見や説明などを50語程度の平易な英語で書く練習をしよう。日本語でまず要点をまとめてもよいが,日本文を完成させてからそれを英訳するというやり方はしないようにする。英文に訳す際にそれが妨げになる可能性があるからである。英語の論理展開を意識して書く練習が必須である。第三者の添削を受け,自分の答案を客観的に評価してもらう機会を増やすとよい。日頃からの訓練が肝要である。
本番では講義形式の英文は約5分,しかもネイティブスピーカーが話す自然なスピードの英語で流れ続ける。したがって,普段からある程度まとまりのある英文をナチュラルスピードで聞くようにして集中力を養い,聞きながら要点のメモを取る習慣を身につけたい。リスニング教材を何度も聞き,音声面での特徴(強弱の付け方,音のつながり,切れ目など)に慣れておき,自分でも言えるようになるまで音読練習を重ねるとよい。
用例も含めて覚えるようにし,実際に読んだり書いたりする際に使えるようにしておくこと。
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