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東大生活

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2008.09.03

東大理学部で学ぶ

惑星の起源を追求していきたい。
壮大なテーマへ向い、研究に没頭する日々


地球惑星環境学科 山口 優夢さん
※所属については、2008年時点のものです。




生物への興味が生命の起源の探究へ


僕はもともと生物に興味があり、
農学部など生物系への進学を考えて理科二類に入学。
DNAやバイオテクノロジーにも興味を持ちましたが、
もっとダイナミックな視点から勉強したいと考えるようになり、
生命の起源を学ぶために今の学科へ進学しました。
生命の起源を学んでいくうちにどんどん興味が広がっていき、
現在は惑星科学を追究していきたいと考えています。
そのため、来年からは大学院の地球惑星科学専攻に進み、
卒論のテーマでもあった「火星」について研究していく予定です。




■先輩のオススメ講義


地球惑星環境野外巡検Ⅰ


この講義は3年の夏休みに行われた集中実習です。
日本とは違う地域、年代の地層を観察するため、
オーストラリアのキャンベルとシドニーに10日間くらい行きました。
3年の集中講義では国内2か所とオーストラリアに行ったのですが、
この講義が最も印象に残っていますね。


地層を見学に行った場所は2か所。
地層は歩いて全部見て回れるほど小さくなく、
広い範囲に連なっているので、1か所につき1日かけて、
バスで移動しながら露頭(地層や鉱物などが地表に
露出しているところ)を見て回るんです。
そして、帯同してくださった教授が、
その地層についていろいろと解説してくださいました。


日本とオーストラリアでは、地層の成り立ちが全然違います。
要は、大地が今の形になるまでの過程に異なる部分が多いんです。
例えば、氷河が堆積した地層などは、
日本ではどこへ行っても見ることはできません。
そこに埋まっている化石も日本にはないものがたくさんありますし。
日本の地層を観察、分析することも楽しいですが、
全く成り立ちの異なる地域の地層はとても興味深く、
いい勉強になりました。


オーストラリアではフィールドワークだけではなく、
ANU(オーストラリア国立大学)の見学にも行きました。
研究施設を見たり、実際に研究している様子を見学したり。
同じ学問でも、日本とは地層の成り立ちが全く違う国の
研究施設は、若干違いましたね。
東大にはない研究設備もありましたし。
必修で海外に出かけ、実地的な観察を行うことができるのは、
東大でもとても珍しい講義でしょう。
また、オーストラリアの研究者や学生たちとの交流も、とても楽しく、
自分の取り組んでいる学問へのモチベーションも上がりましたね。
ごく短い期間でしたが、留学に近い感覚を抱きました。




地球惑星環境学実習


この講義は、実際に観察、研究した地層について、
どのような方法を用いて、どんなテーマで発表するか、
という、研究結果の発表の仕方を学ぶ実習です。
地層から鉱石を持ってきただけでは、
なんの学問にもなりませんから。
研究結果の発表の方法はたくさんあって、
テーマに沿った最適な方法で研究を進めていかなければ
なりません。
卒論を書くための前段階という位置づけでしょう。


僕がそのときに研究を発表した地域は、
3年の夏休みに行った岩手県の三陸海岸。
地層の中には、ノジュールと呼ばれる、
生物の遺骸等の石灰分などによって自然にセメント化して
できるものがあるのですが、
それを用いて研究結果を発表しようと試みました。
まずは、その採取してきた白い塊が本当にノジュールなのか、
それが本当にノジュールだったとしたら、
周りの地層とはどこが違っているのかを調べるために、
薄片を大量につくって、顕微鏡で調べました。
理学部棟の地下には鉱物の薄片をつくるための専用の機械が
あるんですよ(笑)。


薄片をいっぱいつくって、それらを比較検討したのはいいのですが、
僕は徐々にどこに主題を置いて、
どういう研究テーマで発表するのが最適なのかが
わからなくなってしまいました。
担当の教員に相談し、粒子密度の観点から、
そのノジュールのできた年代を割りだす、
という方法にたどり着きました。


地層はいろいろな鉱物が堆積し、
圧縮されてできるものなので、
完成されてから年月がたつと、粒子密度が高くなります。
一方、ノジュールは自然に地層がセメント化されたものなので、
内部の粒子密度はあまり変わりません。
そのため、両方の粒子密度が同じ場合は、
そのノジュールは地層ができたあとに形成されたという
ことになります。
また、ノジュールと周囲の地層の粒子密度を比べて、
ノジュールの方が粒子密度が低ければ、
そのノジュールは地層が完成される前にできたことになるのです。
そうやって粒子密度を調べることにより、
いくつか採取してきたノジュールができた年代がわかり、
それを研究結果として発表しました。




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