
001010-T-|mori|森 英人 先生(中央大学横浜山手中学校高等学校)
森 英人 先生(中央大学横浜山手中学校高等学校)
現職、中央大学横浜山手中学校高等学校 教頭。 2009年度まで聖光学院中・高等学校で数学教師として教鞭をとる。今までに東大へ送り出した教え子は500人を超える。東大をはじめとした最難関大の数学を知り尽くし、生徒からの信頼も高い。東大特講√T・京大特講√Kの『東大数学』の執筆でもおなじみ。
THE ブレイクスルー
教科全体をもう一度俯瞰して見ること 足りない部分は添削で力を養おう
これから自分の実力を伸ばして現状突破をめざす場合、入試が近い未来に迫って来ている今だからこそ、全体を俯瞰してみる視点を持っていることが大きな意味を持つ。
教科の全体観がわかっていれば、地図を手に入れたも同然だから、行き詰まったときでも自分がどの方向に進むべきかわかるはずだ。
要するに、全体感を備えることによって、単元ごとの断片的な知識が有機的につながり、分野横断的に流れるような思考法を生み出せる。これこそ、網羅的思考力として手に入れるべき高度な問題解決法といえるだろう。
逆に言えば、まじめに勉強に取り組んでいるのに受験に失敗してしまう生徒は、全体を俯瞰する視点を持っていない場合が多い。森に迷い込んでしまった人のように、まわりの木ばかりに気をとられてしまうんだ。
だから、これまでの勉強で基本をしっかり身につけている生徒は、もう一度全体を俯瞰して自分に足りないところをまずは埋めていくように心がけるといいだろう。
■高2の春休みに総復習するメリット
参考までに現在、高2の生徒のために少し話をしよう。
実際に高2まではそれほどの成績でなかったのに、高3になってから急に成績を伸ばす生徒がいる。そういう生徒は高2から高3に進級する春休みに総復習をきちんとしている場合が多い。
早い段階でそれまで習ったことを体系的にまとめておけば、高校で習う数学の全体観をつかんでから受験勉強に入ることができるからね。
今まで習った単元の基本問題だけを解くのであれば、おそらく2週間くらいでできると思うから、例えば次の春休みに総復習としてチャレンジしてみると、全体観をつかむのにちょうどいいだろうな。
■記述力を磨くために添削をお願いする
試験本番に向かっていくための対策としては、記述力をつけるために入試日の直前まで添削してもらう機会を持つことがとにかく大切。
これからの時期は解答に近づくだけではなくて、その答えをどう記述していくがポイントになるからね。
先生に添削をお願いする場合、「答えが完成していなければ見せられない」と考えがちだけど、まったく添削してもらわないよりは途中までしかたどり着けていなくても見てもらうほうがいい。
そうやって自分に足りない部分を埋め合わせ、能力を高めていくといいだろう。
■夢のようなブレイクスルーの方法はない
後半期にぐっと成績を伸ばしてブレイクスルーしていく生徒は確かにいるけど、残念ながら「この勉強法で必ず成績が一気に伸びる」という夢のような勉強法はない。
それに、誰だってこの時期は不安を感じているはずだから、焦ってはいけないんだ。
東大模試でA判定、B判定を出しているような生徒であれば、かろうじて「いけるかもしれないな」と思っているだろうけど、大抵の受験生は半信半疑で不安を抱えたまま頑張っている。
この局面で大事なのは、「不安な状態にいるのは自分だけじゃない」という気持ちが持てるかどうかだ。
入試直前の時期もきちんと学校の教室へ通っていれば、「ほかの受験生もみんな不安なんだ」ということが自然と感じ取れると思うから、学校を中心に学習計画を立てるほうが、前向きな気持ちをキープできるだろう。
そして大切なのは「あきらめずに勉強し続ける」ということ。
受験勉強はマラソンと同じで、一度立ち止まってしまうと、再び走り出すのがつらくなってしまう。だから、不安を感じたとしても、常に勇気をもって前へ進み続けよう。
待っている状態では、奇跡だってやって来ない。
合格は自分から勝ち取らないといけないものなんだ。




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